かみさまのいる台所

vol.4 /かみさまのいる台所

でんだ ひさよ さん
(ギャラリー店主)

自宅のとなりで“祈り”をテーマとしたギャラリー「enn」を営んでいる。夫と子ども二人の4人家族。

東京で暮らしていたが、ひさよさんの故郷である都城市へ帰郷して三年半ほどになる。その時に新築した自宅は霧島連山と田畑を借景としたとても開放感のある平屋。

台所は自分だけの空間を大事にしたいという思いで独立型。
玄関から入ってリビングへ続く導線とは別に、ストックルーム、台所へ続く導線がある。買い物袋を下げて帰宅して、さっと台所へ行けるので便利。建築家のお兄さん(㈱ライフ建築事務所)との共同作業で使いやすく心地よい空間を作った。

洗い場、調理台の大きな窓からは自然光が注ぎ明るく、外のグリーンが清々しい気持ちにさせてくれる。

徹底した収納ですっきりとした台所。ステンレス製のキッチンには調理道具や調味料など収納。
大きく引き出せ、取り出しやすい。

流しの下は食洗器を設置できるスペースであったが、食洗器は必要ないのでゴミ箱を収納している。扉で隠せるので嬉しい。

キッチンの背面には作り付けの棚がある。上には可動式棚のついた収納スペース。主に食器を置いている。

(左)下の引き出しはサイズが様々あり、物の定位置を決めて収納している。
(右)壁に貼られた陶器のタイルは、福岡県の陶芸作家石原稔久さんにお願いして作ってもらったもの。優しい色と温かな風合いで、眺めているだけで心が和む。

一番上の広くて浅い引き出しには、豆皿や茶たく、平らな器を収納。沢山重ねないので物が見渡せ、何が何処にあるのか一目瞭然。ギャラリーでも作品の展示には引き出しを上手く利用している。

きちんと収納されたクロスや器。

お湯を沸かす際は銅製のやかんを使っている。銅は熱伝導性が優れており、お湯が沸くのが早い。使い続けるうちにピカピカのやかんも写真のような飴色になり味わいが増す。使わない時に、どこに置いても絵になるやかん。

ギャラリー「enn」のテーマでもある祈りにまつわるオブジェたち。
(左)レンジフードの上にさりげなく置かれたオブジェは、この台所の「火の神様」。


魚焼きグリル

魚焼きグリルはオーブンより手軽に使え、短時間でこんがりと焼き色が付くのが魅力。
写真は繰り返し作る野菜のグリル。子ども達が食べやすいように、小さめに切った旬の野菜をフライパンで炒め、耐熱皿に入れ、チーズをのせてグリルする。下ごしらえをしておくと、夕飯時に焼くだけなので働くお母さんには助かる一品。

篠竹の米研ぎざる

宮城県の職人さんが作る竹細工のザル。米を研ぐ他、野菜の水切りにも使う。竹ザルは軽く、しなやかで使いやすく、プラスチックやステンレスと違い自然素材であるところが気に入っている。「竹ザルに入った野菜はなんだか気持ちよさそうに感じる」とひさよさん。

木べら

長野県松本にあるお店「陶片木」で買った木べら。5年ほど使い続けている。ゆるやかに曲がっているので、炒めるだけでなく、食材をすくうこともできて使い勝手がよい。柄の部分は丸みがあり握りやすい。


よく使う器たち

(左)取り皿としてよく使っている器。気に入った器を一枚ずつ増やすので、同じ器を枚数揃えて持つことがない。
(右)気に入った器は欠けても金継ぎして使っている。

台所の横には、ひさよさんのワークスペースがある。建築家中村好文さんがデザインしたキッチンツールが大好きで、この椅子の高さにあった机を設計して作ってもらった。

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